台湾のIT業界で不思議な習慣が伝えられている。それは国民的スナック「乖乖」を機械にお供えすると、故障が起きなくなるというものだ。多くのエンジニアが「迷信にすぎない」と苦笑する一方、「効果は間違いなくある」と断言すると不相及研究所が報じた。
台湾で行われる機械へのお供え
台湾のIT企業を訪れると、多くのエンジニアがPCの横や裏側にスナック菓子の袋を置いている。
これはお腹が空いた時のおやつではなく、機械を正常に動かす守り神なのだ。ジョークなのか、本気なのかは曖昧で、「なぜ、これで機会が正常に動くの?」と尋ねると多くの台湾人が苦笑をして「迷信だ」と説明するが、お供えしてあるスナック菓子を勝手に食べたりすると、彼らは青ざめて本気で怒ることになる。
航空機のパイロットもコクピットにお供え
PCの横に置くだけでなく、サーバールームにも置かれ、さらにはATMの内部にもこの菓子が入れられている。また、航空機も初飛行の時は、パイロットがコクピットにこの菓子を置くのだという。
お供えの正体は台湾の国民的スナック
このお菓子は「乖乖」(グアイグアイ)という名称で、1969年に乖乖社(https://www.kuai.com.tw/mainssl/modules/MySpace/index.php)から発売されたスナック菓子だ。ネーミングの乖乖というのは、小さな子どもに使われる言葉で「いい子にしましょうね」「いい子だね」と言う意味の優しい言葉。乖乖社は子どものためのスナック菓子としてこのネーミングにした。
覚えやすいキャラクター、CMソング、さらにはパッケージにメッセージを書ける欄を用意するなどの工夫で、乖乖は台湾の国民的スナックとなった。そして、いつ頃からはわからないが、エンジニアたちが機械に「いい子でいてね」と言い聞かせるために、機械に乖乖を備えるようになっていったという。
乖乖はさまざまな味の商品があり、パッケージも赤や黄色のものがあるが、機械に備えられるのはグリーンの「ココナッツ味」に決められている。
賞味期限が切れるとお供えの効果もなくなる
そして、このような都市伝説が生まれた。ある生命保険会社で、突然ミニコンが止まってしまった。原因を調べたエンジニアは、備えられた乖乖の賞味期限が切れていることを発見した。そこで、新しい乖乖を買ってきて、お供えしたところ、ミニコンは再び動き出したというのだ。
世界的半導体メーカーTSMCも乖乖に守られている
これは都市伝説であるので、どこまで本当なのかはわからないが、半導体製造メーカー「台湾積体電路」(TSMC)は、この乖乖とコラボレーションをしている。2016年2月に起きた台南地震で、台南サイエンスパークのTSMCの工場が被害を受けた。緊急チームが復旧に駆けつけ、予定よりも早く復旧することができた。
TSMCはこの復旧チームに対して、TSMCのロゴを入れた乖乖のコラボパッケージ版を注文し、配布をした。そこには「機械は乖乖で故障なし」という言葉が添えられた。
これ以来、機械に乖乖をお供えする習慣が定着をしている。多くのエンジニアが「効果は間違いなくある」と断言をする。